一般財團法人 東 方 學 會                                      

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      令 和 6 年 度 事 業 計 画

I. 出版編纂事業
1. 機関誌「東方學」及び記念号の刊行
○「東方学」の刊行
 わが国東方学研究の各専門分野にわたる会員の研究論文を中心に、内外東方学界消息、座談会 [別項III-2]、追悼文等を収録する和文学術誌。巻末に英文論文要旨を附載する。本年度においては、第148輯 (巻頭論文:高津孝)・第149輯 (巻頭論文:橋本秀美) を刊行する。
  年2回刊、和文、A5判、本文9P縦二段組、各輯基準頁256頁、各1,900部
○第43回東方学会賞の授賞
 本年度の第43回東方学会賞については、6月に役委員に候補推薦依頼を行い、8月末に選考委員会を開催し授賞者を決定する。贈呈式は、11月9日開催の秋季学術大会において行う。

2. ACTA ASIATICA: Bulletin of the Institute of Eastern Culture及び英文出版物の刊行
 わが国における東方学・日本学の最新の研究論文とその分野における研究史・研究動向等を特集形式でまとめ、海外学界・研究者に紹介する英文学術誌。編集にあたっては責任編集者を委嘱し、専門分野ごとに特定のテーマを設け、その体系的な紹介を企図する。本年度においては、No.127特集「東アジア古文書研究―中国・朝鮮・日本」(編集:丸山裕美子)、No.128特集「嘉慶維新」(編集:豊岡康史) を刊行する。
  年2回刊、英文、B5判、本文11P横組、各巻基準頁128頁、各650部

なお、本年度における英文単行本刊行の予定はない。

3. Transactions of the International Conference of Eastern Studies No. LXVIII, 2024 (国際東方学者会議紀要 第68冊) の刊行
 第68回国際東方学者会議 [別項II-1] における議事・実行プログラムの他、フルテキスト (2篇程度) とその他の全発表要旨、シンポジウム等のチェアマンズリポート、関西部会における講演要旨等を収録する報告書。
  年刊、英文、A5判、本文8P及び9P横組、予定頁160頁、1,200部

4. 「東方學會報」の刊行
 本会事業及び行事の予告・報告、内外学界動向、主要大学の研究室便り、若手研究者の研究会等支援事業の報告書、会員通信、出版案内など、多方面にわたる情報を適宜提供し、会員および関係学会・団体機関との連携を図る。 本年度は、そのNo.126は第68回国際東方学者会議を中心に、No.127は令和6年度秋季学術大会と第5回中国文化研究国際論壇を中心に、それぞれ事務局が編集を担当し刊行する。
  年2回刊、和文、A5判、本文8P縦3段組、予定年間72頁、各2,000部

II.内外学界交流事業 1. 第68回国際東方学者会議(ICES)の開催
 本会議は、1999年の第44回会議以降、東京会議において委嘱発表による企画性・テーマ性の強いシンポジウム等を中心にアカデミックプログラムを組織して成果を挙げており、本年度もこの方式によって開催する。これにより、国際化・情報化の急速に進む今日、斯学研究の最新の成果と動向を取り込み、高い学問レベルで国際学術交流に貢献するとともに、広く一般にも公開して東方学・アジア研究の普及を図る。なお、本年度においては、下記プログラムをもって開催する。なお、複数のシンポジウムでハイブリッド開催を予定している。
  〔第68回国際東方学者会議〕
 〇東京会議 (5月18日〔土〕、日本教育会館7・8階会議室)
  開会式 (801・802会議室) 
  シンポジウム (括弧内は企画責任者)
   I. 尊厳概念の近代日本への転移 (小島 毅)
   II. 内藤湖南にみる近代日本東洋学の特質 (陶 徳民)
  Ⅲ. 仏典とインド史との接点 (馬場紀寿)
  Ⅳ. ユーラシアにおける文書と通信:勅書、国書、条約文 (松井 太)
  V. 騎馬民族征服説再考―考古学からみたヒト・モノ・文化の移動 (諫早直人)
  VI.平安時代史研究の最前線―摂関期を中心に (大津 透)
  ペーパーセッション (括弧内は組織責任者)
   東洋美術史 (板倉聖哲)
  懇親夕食会 (9階平安の間)
 〇関西部会 (5月25日〔土〕、京都市国際交流会館)
  講演会 (1階イベントホール)
  Tao PAN (京都大学特定講師): Tocharology’s Contribution to Buddhist and Historical
    Studies
     講師紹介・司会:赤松明彦 (京都大学名誉教授)
   辻 正博 (京都大学教授): 唐代における潼関の立地と機能
     講師紹介・司会:中砂明徳 (京都大学教授)
  懇親昼食会 (2階特別会議室)
  参観:京都府立京都学・歴彩館 (左京区下鴨)
 〇報告書の刊行
  別項I-3の通り、Transactions of the International Conference of Eastern Studies No. LXVIII, 2024 (国際東方学者会議紀要 第68冊)を刊行する。

2. 海外学者の招聘
 本事業は、海外において東方学を専攻する有力研究者を招聘し、広くわが国の学界・専門研究者との直接交流を行うことを目的とするものであるが、本年度においては、第68回ICES [別項II-1] に下記6ヶ国7氏の招聘を予定している。
   (*は科研費等による招聘)
   シンポジウム I  Eddy Dufourmont (ボルドーモンテーニュ大学准教授)
         *商 兆琦 (復旦大学副教授)
         II  銭 婉約 (北京語言大学教授)
        III  Mark Allo (シドニー大学准教授)
        IV.*デュセンアイル・アブドゥラシム(L.N.グミリョフ・ユーラシア国立大学)
         V  李 鉉宇 (釜山大学校人文学研究所)
        VI  Antonin Ferré (プリンストン大学博士課程)
  なお、招聘には、本国と日本で新型コロナウイルスによる空港検疫の待機期間が無いことを条件とし、招聘できない場合は、オンラインで現地から参加していただくこととする。

3.中国社会科学院古代史研究所との交流
 中国社会科学院古代史研究所(’19.4に歴史研究所から改称)との交流協定にもとづき、本年第5回中国文化研究国際論壇が8月に成都で開催される予定である。
  〇第5回中国文化研究国際論壇
    日時:8月22日~26日
    会場:四川大学歴史文化学院
    テーマ:中国古代の国家と地域文化

4.秋季学術大会及び講演会等の開催
 平成24年度から、これまで会員総会において一般に公開してきた講演会、シンポジウム、研究発表を分離して秋季学術大会として開催しているもので、本年度においては京都支部主催のもと、2名の講演、1名の研究発表とともに、第43回東方学会賞贈呈式を行う。
   〔令和6年度秋季学術大会〕
    日時:2024年11月9日(土) 午後1時30分~4時40分
    会場:芝蘭会館別館 (左京区吉田牛ノ宮町)
    講演会:
    ① 古勝隆一 (京都大学人文科学研究所准教授、中国古典学)
       講師紹介・司会:宇佐美文理 (京都大学教授)
    ② 斎藤希史 (東京大学大学院人文社会系研究科教授)
       講師紹介・司会:道坂昭廣 (京都大学教授)
    研究発表:宮崎展昌 (第42回東方学会賞受賞者、鶴見大学仏教文化研究所専任研究員)
    第43回東方学会賞贈呈式
     授賞理由披露:学会賞選考委員会代表
     授賞:理事長

5. 翻訳・英文校訂サービスの提供
  国際学術交流推進の基礎的事業として、東方学関係の論文、論文要旨、国際会議発表ペーパーの英訳及び英文校訂 (ネイティブチェック) の有料サービスを平成10年度より行なっているが、翻訳者が高齢化しており、本年度においは規模を縮小して実施する。

6. 若手研究者の研究会等支援事業
 本事業は、若手研究者の交流と学際的な研究を促進するため、平成23年度より開始したもので、研究会・講演会・シンポジウム等の開催経費の一部として、1件5万円、年間10件までの支援を行うものである。その質を確保するため本会会員 (45歳以下) が申請者になることを条件としている。報告書 (800字程度) は、実施直後の「東方学会報」に掲載する。

7. 国際アジア・北アフリカ研究会議 (ICANAS) 関係業務
 本会では、昭和59年(1984)の発足から平成16 (2004) 年の解散までICANAS日本国内委員会の事務局を担当し、その後その業務を継承している。直接わが国研究者に対しICANAS情報を提供して広報活動を行うとともに、ICANASの上部機関である国際オリエント・アジア研究連合 (IUOAS) との密接な連携を図るものであるが、近年は休眠状態にある。

8. 東洋学・アジア研究連絡協議会の事務局業務
 本会では、日本学術会議東洋学研究連絡委員会廃止決定に伴い、民間レベルの緩やかな学会連合を目指して平成16年12月に設立された標記協議会の事務局業務を担当している。例年12月の土曜日に開催している総会・シンポジウムについては、4月にワーキンググループによる検討を行い、日程・テーマおよび発表者の選定を行う。

9.「儒蔵」日本編纂委員会の事務局業務  
 中国・日本・韓国・越南の漢文体で撰述された重要な儒学典籍を網羅し、校勘・解題を加えて編纂する「儒蔵」編纂事業が、中国の国家的プロジェクトとして2003年12月に開始された。北京大学の「儒蔵」編纂中心から、日本における儒学典籍の編纂依頼があり、2006年9月に「儒蔵」日本編纂委員会が組織された。しばらく活動休止状態であったが中国側の要請により、昨年から活動が再開されている。

10.ホームページによる情報の提供  
 本会では、平成14年4月16日にホームページを開設して以来、逐次情報の補充更新を行って、会員・関係研究者のみならず広く内外学界及び一般からのアクセスに応えており、本年度においても積極的に情報の集積・公開に努めることとする。

III.図書室事業
1. 内外研究情報・資料の交換・斡旋と図書室の整備  
 本会では内外学界における関係団体機関及び研究者との間に、情報の提供や本会出版物の寄贈・交換を行っており、本年度においても従前通りの送付を継続する。これにより内外学会・大学研究機関より交換・寄贈を受ける東方学関係図書・雑誌・研究資料、及び本会購入新刊図書の収納・整理を行う。なお、新型コロナウイルスの影響により郵送できない国や研究機関があり、最近の送付数は減少している。

2. 録音資料の保存
  本年度においても、座談会「先学を語る」シリーズおよび「学問の思い出」を実施する予定である。

IV.会員関係事業
1. 全国会員総会の開催
 全国会員総会は、平成24年度から講演会・シンポジウム・研究発表を秋季学術大会として分離開催することになったため [別項II-4]、総会としては会務報告・懇親会を11月9日(土) 芝蘭会館別館における秋季学術大会に続けて開催する。
   〔令和6年度全国会員総会〕
   日時:2024年11月9日(土)午後4時40分~6時30分
   会場:芝蘭会館別館 (左京区吉田牛ノ宮町)
  次第:会務報告、懇親会

2. 会員名簿・要覧の刊行
 本会では隔年会員名簿と要覧を刊行しており、本年度においては刊行の予定はない。


                                                       以 上

令和6年度収支予算書

令和6年度収支予算書内訳表 (PDF 280KB)


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