Ⅰ. 出版編纂事業
1. 機関誌「東方学」の刊行
わが国東方学研究の各専門分野にわたる会員の研究論文を中心に、内外東方学界消息、座談会(別項Ⅳ-2)、および本会が招聘した外国人学者による講演あるいは他学会との共催により行われた来日外国人学者による講演の邦訳テキスト等を収録する和文学術誌で、巻末に英文論文要旨を附載する。本年度においては、第120輯(巻頭論文:中嶋隆蔵)・第121輯(巻頭論文:池田雄一)を刊行する。
年2回刊、和文、A5判、本文9P縦二段組、各輯基準頁256頁、各2,400部
2. ACTA ASIATICA: Bulletin of the Institute of Eastern Cultureの刊行
わが国における東方学・日本学の最新の研究論文とその分野における研究史・研究動向等を特集形式でまとめ、海外学界・研究者に紹介する英文学術誌。編集にあたっては責任編集者を委嘱し、専門分野ごとに特定のテーマを設け、その体系的な紹介を企図する。本年度においては、No.99特集「律令制の比較研究」(編集:大津透)、およびNo.100特集「中国美術史」(編集:小川裕充)とを刊行する。
年2回刊、英文、B5判、本文11P横組、各巻基準頁128頁、各900部
3. Transactions of the International Conference of Eastern Studies No.LV,
2010(国際東方学者会議紀要 第55冊)の刊行
別項第55回国際東方学者会議(東京会議・関西部会)における議事・実行プログラムの他、フルテキスト(東京会議における発表論文3篇程度)とその他の全発表要旨、シンポジウム・美術史部会のチェアマンズリポート、および関西部会における講演要旨等を収録する報告書。
年刊、英文、A5判、本文8P及び9P横組、予定頁160頁、1,400部
4. 「東方學會報」の刊行
本会事業及び行事の予告・報告、内外学界動向、主要大学の研究室便り、会員通信、出版案内など、多方面にわたる情報を適宜提供し、会員との連絡および関係学会・団体機関との連携を図る。 本年度は、そのNo.98を第55回国際東方学者会議と第2回日中学者中国古代史論壇を中心に、No.99を第60回全国会員総会を中心に、事務局が編集を担当し刊行する。
年2回刊、和文、A5判、本文8P縦3段組、予定年間72頁、各2,400部
Ⅱ.内外学界交流事業
1. 第55回国際東方学者会議(ICES)の開催
本会議は、東京会議において委嘱発表による企画性・テーマ性の強いシンポジウム・セミナー等を中心にアカデミックプログラムを組織して成果を挙げている。本年度も引き続きこの方式によって開催する。これにより、国際化・情報化の急速に進む今日、斯学研究の最新の成果と動向を取り込み、高い学問レベルで国際学術交流に貢献するとともに、広く一般にも公開して東方学・アジア研究の普及を図る。 なお、本年度は、中国社会科学院歴史研究所との共催による第2回日中学者中国古代史論壇を併設し、下記の日程・プログラムをもって開催に臨む。
〇東京会議(5月21日、日本教育会館)
開会式
シンポジウム(括弧内は企画責任者)
Ⅰ. 地方化を通じた国際化――扶南・林邑の新出考古資料の考察(桜井由躬雄)
Ⅱ. 仏教における意識の形成と認識の転換(中谷英明)
Ⅲ. 日中文化交流史の諸問題――古代中世を中心に(大津透)
Ⅳ. 蒋介石の西南建設と対外政策(川島真)
ペーパーセッション(括弧内は企画責任者)
東洋美術史(根立研介)
第2回日中学者中国古代史論壇
魏晋南北朝期における貴族制の形成と三教・文学(池田知久・渡邉義浩)
交歓パーティー
〇関西部会(5月29日、京都市国際交流会館)
講演会
吾妻重二(関西大学教授)
Haruo Shirane(米国、コロンビア大学教授)
交歓昼食会
参観:東福寺宝物館・庭園
〇報告書の刊行
別項I-3の通り、Transactions of the International Conference of Eastern Studies
No.LV, 2010(国際東方学 者会議紀要 第55冊)を刊行する。
2. 海外学者の招聘
海外において東方学・日本学を専攻する著名学者及び有力中堅研究者を招聘し、広くわが国の学界・専門研究者と直接交流を行う。本事業の実施に際しては、国際交流基金や日本学術振興会または民間の財団等の助成も得られるように努める。
本年度においては、上記第55回ICESの開催に際し、シンポジウムIにBui Chi Hoang所長(ベトナム南部持続発展可能院考古学研究所)を、シンポジウムIIにMichael
Zimmamann教授(ハンブルク大学)を、シンポジウムIIIに黄正建研究員(中国社会科学院歴史研究所)を、シンポジウムIVに呂芳上教授(台湾東海大学)を、また関西部会の講師としてHaruo
Shirane教授(コロンビア大学)を、それぞれ招聘する。招聘期間は3泊4日とし、往復航空運賃と滞在費を本会が負担する。送迎あるいは滞在中の応対は各招聘責任者が責任をもってこれを行うこととする。なお、第2回日中学者中国古代史論壇には社会科学院歴史研究所を中心に13名の研究者を迎える。
3.日中学者中国古代史論壇の開催
中国社会科学院歴史研究所との交流協定にもとづき、第2回日中学者中国古代史論壇を5月21日の第55回ICESに併設して開催する。テーマは“魏晋南北朝期における貴族制の形成と三教・文学。”中国側の参加者は13名、5月20日来日24日帰国の予定で、その旅費・滞在費等の経費は中国側が負担する。連絡責任者は、歴史研究所は卜憲群副所長、東方学会は池田知久東京支部長となっている。
〔中国側参加予定者〕
卜憲群:中国社会科学院歴史研究所副所長・研究員
楼 勁:中国社会科学院歴史研究所研究員
梁満倉:中国社会科学院歴史研究所研究員,中国魏晋南北朝史学会副会長
王啓発:中国社会科学院歴史研究所研究員
李 憑:華南師範大学歴史文化学院教授,中国魏晋南北朝史学会会長
陳長琦:華南師範大学歴史文化学院教授、中国魏晋南北朝史学会副会長
凍国棟:武漢大学歴史学院教授,武漢大学中国三至九世紀研究所所長
厳耀中:上海師範大学人文学院中国文化研究中心主任・教授、中国魏晋南北朝史学会副会長
胡阿祥:南京大学歴史系教授、中国魏晋南北朝史学会副会長
劉安志:武漢大学中国三至九世紀研究所教授
羅 新:北京大学歴史系副教授
魏 斌:武漢大学中国三至九世紀研究所副教授
張 軍:中央党校文史部歴史室副主任、副教授
4. 内外研究情報・資料の交換・斡旋
内外学界における関係団体機関及び研究者との間に、情報の提供や本会の出版物の寄贈・交換を行う。但し、国立国会図書館の受託交換業務の休止(平成10年度以降)、国際交流基金による出版物(ACTA
ASIATICA)買い上げの削減(平成15年度には打ち切られ、16年度から日本研究の特集のみ150部の買上げが復活)、また本会の受け入れ図書の収蔵スペースが限界に達していることなどの要因により、資料交換事業については逐次その規模の見直しを行い、可能な範囲での実施を図ることとする。
5. 国際アジア・北アフリカ研究会議(ICANAS)関係業務
昭和59年(1984年)の発足以来、本会がその事務局を担当してきたICANAS日本国内委員会の解散(平成16年12月28日)に伴い、本会が継承することとなった本業務については、直接わが国研究者に対しICANAS情報を提供して広報活動を行うとともに、ICANASの上部機関である国際オリエント・アジア研究連合(IUOAS)との密接な連携を図る。なお、次回第39回会議の開催が予定されているオランダからファーストサーキュラーが発表され次第、国内研究者への広報活動を行うこととする。
6.東洋学・アジア研究連絡協議会の事務局業務
標記協議会は、日本学術会議の東洋学研究連絡委員会廃止決定に伴い、民間レベルで東洋学研連に替わる緩やかな学会連合の組織を目指して、平成16年12月に設立され、その事務局業務を本会が担当している。日本学術会議の「アジア研究・対アジア関係に関する分科会」が史学・言語文学・哲学・地域研究の4委員会の合同分科会として設置されたので、当面その活動を見守っていくことにしている。また、近い将来日本開催が期待されているICANASについては、日本招致にも積極的に対応することを申し合わせている。
〔2009・2010年度役員〕
会 長:池田知久
幹 事:興膳 宏、斎藤 明、桜井由躬雄、堀池信夫
会計監査:中見立夫、池澤 優
事務局長:河口英雄
参加学協会:37団体(ほかオブザーバー4団体)
幹事学会:東方学会、日本印度学仏教学会、日本中国学会、東南アジア学会
7.「儒蔵」日本編纂委員会の事務局業務
中国・日本・韓国・越南の漢文体で撰述された重要な儒学典籍を網羅し、校訂・解題を加えて編纂する「儒蔵」編纂事業が、中国の国家的プロジェクトとして2003年12月に開始された。北京大学に「儒蔵」編纂中心(代表:湯一介教授)を設置し、2020年までに約5000種の刊行を目指しており、その「儒蔵」編纂中心から戸川芳郎教授(当時理事長)に日本における儒学典籍の選定と校訂・解題の依頼があり、これを受けて平成18年9月、「儒蔵」日本編纂委員会が発足し、本会は当面その事務局を担うこととなり、委員会開催や委員及び実務担当者への連絡等の便宜を図っている。
8.ホームページによる情報の提供
本会では、平成14年4月16日にホームページを開設して以来、逐次情報の補充更新を行って、会員・関係研究者のみならず公益法人として広く内外学界及び一般からのアクセスに応えており、本年度においても積極的に情報の集積・公開に努めることとする。
Ⅲ.会員関係事業 1. 全国会員総会の開催 本年度の第60回全国会員総会は、京都支部が主催し、11月6日(土)芝蘭会館別館(京都市左京区吉田牛ノ宮)において開催する。今回の総会においては、下記のプログラムをもって開催に臨む。なお、講演会・研究発表は広く一般に公開する。
〇第60回全国会員総会(11月6日、芝蘭会館別館)
講演会
1. 根立研介 (本会理事、京都大学大学院教授、日本美術史)
2. 池田雄一(本会監事、中央大学名誉教授、中国古代史)
研究発表
1. 岩生一史(第27回東方学会賞受賞者、チベット史)
2. 白井 順(第27回東方学会賞受賞者、中国近世思想史)
3. 守川知子(第28回東方学会賞受賞者、イラン・イスラーム史)
4. 吉田ゆか子(第28回東方学会賞受賞者、文化人類学)
会務報告
第29回東方学会賞贈呈式
懇親会
2. 研究論文の委嘱・公募
本会会員による東方学研究の成果を発表し、広く内外学界に紹介する目的で、本会役委員の推薦及び一般会員からの公募により研究論文の提出を求め、査読制度に基づく編集委員会の審査を経て、「東方学」に収載する。併せて、内外東方学界消息及び追悼文(随時)の執筆委嘱を行う。また、ACTA ASIATICAには責任編集者の企画にもとづき、日本学・東方学関係の論文および研究史の執筆を委嘱する。
3. 講演会・懇談会の開催
東京・京都両支部は、関係学協会及び関係研究機関との連携を密にして、随時来日有力外国人学者の歓迎講演会・懇談会等の開催に努め、支部活動の一層の活性化を図る。
4. 第29回東方学会賞の授賞
本年度第29回東方学会賞については、4月中に役委員に候補推薦依頼(7月末締切)を行い、9月に選考委員会を開催し、その結果を理事会に答申し決定する。贈呈式は、11月6日開催の第60回全国会員総会において行う。
5. 翻訳・英文校訂サービスの提供
本年度においても、国際学術交流推進の基礎的事業として、主として会員を対象に、東方学関係の論文、論文要旨、国際会議発表ペーパーの英訳及び英文校訂(ネイティブチェック)の有料サービスを継続して実施する。本事業の実施にあたっては「東方学関係翻訳・校訂サービス業務要項」に依拠し、「東方学会報」を通じて常時案内を行っている。
Ⅳ.図書室事業
1. 図書室の整備
内外学会・大学研究機関より交換・寄贈を受ける東方学関係図書・雑誌・研究資料、及び本会購入新刊図書の収納・整理を行う。
2. 座談会の開催
本年度においては、座談会「学問の思い出」シリーズで池田温教授と同「先学を語る」シリーズで田中正俊教授を取り上げ実施するとともに、それらの録音資料も永く保存する。
自 平成22年4月1日
至 平成23年3月31日
収入の部
勘 定 科 目
|
予 算 額 |
| 大 科 目 |
中 科 目 |
| 資産収入 |
|
73,272,660 |
| |
本館収入 |
37,419,000 |
| |
新館収入 |
18,304,800 |
| |
会議室収入 |
300,000 |
| |
土地賃貸収入 |
7,479,720 |
| |
管理費収入 |
7,519,140 |
| |
雑収入 |
2,250,000 |
| 事業収入 |
|
12,024,000 |
| |
会費収入 |
10,024,000 |
| |
出版収入 |
2,000,000 |
| 助成金収入 |
|
2,504,000 |
| |
日本学術振興会科研費補助金 |
2,000,000 |
| |
国際交流基金助成金 |
504,000 |
| 消費税収入 |
|
3,090,000 |
| 退職給与引当金取崩収入 |
|
1,047,304 |
| 事業準備積立金取崩繰入金 |
|
5,000,000 |
| 収 入 合 計 |
96,937,964 |
支出の部
勘 定 科 目
|
予 算 額 |
| 大 科 目 |
中 科 目 |
| 経常費 |
|
45,743,765 |
| |
経常人件費 |
17,989,955 |
| |
経常事務費 |
2,254,000 |
| |
会館維持費 |
14,199,810 |
| |
租税公課 |
11,300,000 |
| 事業費 |
|
51,061,225 |
| |
事業人件費 |
25,781,225 |
| |
事業事務費 |
3,730,000 |
| |
出版編纂費 |
12,200,000 |
| |
内外学界交流費 |
3,850,000 |
| |
会員関係事業費 |
4,900,000 |
| |
図書室事業費 |
100,000 |
| |
事業雑費 |
500,000 |
| 事業準備積立金 |
0 |
| 予備費 |
132,974 |
| 支 出 合 計 |
96,937,964
|
| 次 期 繰 越 収 支 差 額 |
0 |
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